ohgassoのLife Hack Report

雑記的に記事を投稿します

フェルミのパラドックスと収斂(しゅうれん)進化の不思議

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この宇宙には地球人類以外の文明は存在するのか?

私たちは時々夜空を見上げて、宇宙の不思議について考えを巡らせます。
ん?夜空を見上げなくても、あなたが今立っている場所も宇宙の一部なんですけどね…

この宇宙には、1兆個×1兆個の恒星が存在していると言われています。
また、私たちの銀河系に限っても1,000億個の恒星が存在しています。
そして、それぞれの恒星系には信じられないほどのおびただしい惑星が存在しており、必然、生命の誕生に適した惑星も多数存在することは間違いありません。
と、よく言われるのですが、本当にそうなのでしょうか?

私たちの地球では知的生命体が誕生しました。他の惑星でも知能を持つ生命が発生しているはずだという推測は普通に考えれば非常識な考えではないように思われます。
しかしながら、現在の私たちが知る範囲において、地球以外の生命についての存在は(未だ)確認ができていません。

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フェルミパラドックス

イタリア人物理学者エンリコ・フェルミ(1901〜1954)は、「彼らはどこにいるんだ?」といいました。「彼ら」とは地球外の生命体のことです。
フェルミは言います。何故我々は未だ地球外生命体にお目に掛かっていないのだろうか?地球は宇宙の中で比較的若い星系に属しているため、もしも文明をもった生命体が他にいるのであれば、すでに地球を訪れていてもおかしくない…しかし実際には地球にそのような来訪者は未だいないようだ…

この70年前にフェルミが提唱したパラドックスは、大いに科学者たちを悩ませてきました。
宇宙文明の探索プロジェクトであるSETIはこれを「大いなる沈黙 (the Great Silence)」と呼んでいます。
宇宙における知的生命体の誕生は(統計的に)必然であると考えられているため、このパラドックスについて数々の考察が行われてきました。

例えば「海中に住んでいて宇宙進出してない」・「宇宙旅行に時間がかかるから(まだ)地球まで来ていない」・「地球に興味がない」・「宇宙人たちは皆もう死んでいる」・「我々こそが彗星に乗って地球にやってきた宇宙人だ」みたいなものから、「宇宙人は他文明と接触することを懸念している」や、「政府機関や宇宙の権威者が他の宇宙文明との接触を妨害している」といった陰謀論めいたものまであります。

高度な文明を発展させた知的生命体はいない?

ここで、宇宙生命体の存在について、2つの考察をご紹介します。
まずはフェルミパラドックスに対する最もシンプルな考察から。

「高度な文明を発達させた知的生命体は存在していない」
という天文学者のダニエル・ウィットマイヤー氏の説です。

彼は、「星間通信や宇宙航行を可能とするような高度に発展した文明の持続時間は、ごく短いものであることが示唆される」と主張しています。

ウィットマイヤー氏の主張では、「人類が特別な存在ではなく、宇宙における一般的な文明だとした場合、数百万年間発展を続け、恒星間飛行を可能とするほどに進歩する宇宙文明の存在確率は、極めて低いものである」と説明しています。

つまり、人類の文明発達がどの惑星でも一般的なケースに該当するのであれば、今のところ地球上では何らかの電波の送受信機器やロケット開発を可能とした工業文明は、およそ1世紀程度しか持続していないので、文明の持続期間が他の地球外生命体でも同等とみなせば、今現在我々が観測できる範囲内において地球外文明は存在しないことに対する説明が付けられると主張しています。ほう…

実際のところ、今現在我々自身が直面している数々の課題・問題点も加味して考えると、少し見えてくるものがあります。
すなわち、知的生命体がひとたび工業文明を発達させる段階に達した場合、(おそらくは)その生存している惑星において、人類の時間で数世紀のうちに、惑星に存在していたエネルギー資源と非再生可能資源を枯渇させ、生存基盤である惑星の環境を破壊し、その後は工業化以前の文明レベルに衰退するのではないかと考えられるのです。

これは「人類は特別な存在ではない」という仮定と、「宇宙に地球外知的生命体の存在が確認できない」という観察事実から論理的に導かれる結論としては、的外れではない気がします。

収斂(しゅうれん)進化について

天文学ではなく生物進化の観点から、収斂進化を用いて考察してみます。

収斂(しゅうれん)進化とは、全く別の過程を経て同じような姿・特徴に進化した生物のことを指します。
同じ進化の過程を経て同じような姿である人と猿のような場合は収斂進化とは言いません。
分かりやすい例は、サメ(魚類)とイルカ(哺乳類)、ジンベイザメ(魚類)とクジラ(哺乳類)などが挙げられます。あくまで進化上、大きく違う過程を経て同じような姿・特徴になった生物を収斂進化と呼びます。

地球上では、様々な種において収斂進化が起きたことが知られています。

鳥(鳥類)と、トンボ(昆虫)と、翼竜(恐竜)が別々の進化を経て“空を飛ぶ”能力を身につけたことは、収斂進化の格好の素材と言えます。
であれば、地球外生命と人類との間でも収斂進化が起きてもおかしくないのではないでしょうか。
つまり、人類が手にしたテクノロジーについても地球外生命体が収斂進化を経て手にしていてもなんらおかしくないと考えられ流のではないでしょうか。

ただし。収斂進化にも限界があるようです。
というのは、確かに“空を飛ぶ”や“泳ぐ”などの能力は、種をまたいでその能力を獲得しているケースが見られるものの、“言葉を話す”や“半導体を組み立てる”などを行えた種は、地球上では人類のみなのです。

会話によるコミュニケーションもそうです。
確かに言葉を使わないコミュニケーションを行う種はいますが、より複雑で論理的な、つまり、集団で狩りができ、食料の保存方法を代々伝えるようなことはできませんし、ましてや道具を組み立てることができるよう収斂進化を遂げた例は地球にはありません。
とすると、空を飛んだり、水に潜ったりする地球外生命体はいても、もしかしたら我々人類のようにテクノロジーを獲得できた知的生命体というのはこの広い宇宙を見渡しても、出現していないのかもしれません。

【警鐘】地球外生命体との接触について

 

 

人類が宇宙の観測を始めたのは紀元前3,000年のメソポタミアまで遡ると言います。
その頃には1年の長さがだいたい決まっており、農耕をするための雨季を計算していたそうです。本格的に人類が宇宙に観測の目を向けたのは1608年にオランダで望遠鏡が発明されて以降となります。日本では徳川家康江戸幕府を開いた頃(1603年)ですね。

1609年ガリレオ・ガリレイが天体観測を開始し、その後地動説を唱えたり、それを理由にカトリック教会から有罪判決を受けたりと、宇宙観測が本格化してからは重大かつ新しい発見が次々と世に発表されました。

宇宙を知る取り組みは、1960年アメリカで「オズマ計画」と称した電波望遠鏡を使った地球外知的生命体に関する調査が開始され、現在もこれらの調査は継続されており、現在世界ではSETI(セティ)プロジェクトとして進行しています。

もしも高度な文明を持つ知的生命体と遭遇したら

私は子供の頃、「ウルトラマン」という大人気特撮ヒーローを熱心に観ていました。
街を破壊する怪獣をウルトラマンが人類に代わって退治してくれる、内容はそのようなものでした。実は当時「ウルトラマンが人間の味方で良かったな〜」と子供心に思ったりしていました。

さて、高度な文明を持つ地球外生命体の調査は、彼らが人類を快く思ってくれる前提で進められているようですが、なぜそう思うのでしょうか?
本当にウルトラマンがいたとして、そして無事コンタクトができたとして、ウルトラマンが人類ではなく怪獣をやっつけてくれると思う根拠はなんなのでしょうか?

生物の歴史は発生、分化(進化)、そして絶滅の歴史といえます。私たちの星地球では、およそ直近6億年の間に、誕生した生物の90%以上が絶滅したといわれています。

西暦1600年以降の生物の絶滅はほぼ人類によるものです。
いわゆる近代を迎えてからは、とりわけ急激な種の絶滅が進みました。種として記載された動物で、しかも絶滅が確認された種は600種以上。飼育下でのみ生き残っている種は30種を数えます。

地球上にいた野生生物が、人類という“野生生物と比較すると比較的高度な知的生命体”と言える種に接触した場合でもこのようなおびただしい数の絶滅が起きています。

ウルトラマンがウルトラアリとして、人類ではなく蟻の味方をする可能性や、ウルトラウィルスとして、インフルエンザと結託して人類を根絶やしにしようと思うかもしれない可能性を考慮に入れると、人類は高度地球外人との接触をこのまま続けるべきではないのではと思えるのです。

さらに列挙します。大航海時代に植民地とされたアフリカ大陸諸国、南米、絶滅に追い込まれた北米インディアンの人々しかり、オーストラリアのアボリジニーしかり。パワーに隔たりのある文明との接触は弱者の財産や文明をとことん根絶やしにするまで支配を続けます。私たちはそのことを歴史の事実として学んでいます。

宇宙のロマンとして地球生命体との交信を試みるのは、万が一我々よりも高度な文明を持つ地球外人と接触してしまった場合のリスクについて、一部の科学者や研究機関の独断ではなく、全人類の合意を持って進めるべきプロジェクトではないかと考えます。

繰り返しますが、むやみに地球外生命体との交信を行うことは厳に慎まなくてはなりません。
ハリウッド映画で、地球外生命体との接触を扱った作品は多いですが、”ET”などに見られるフレンドリーな接触はおそらく起こりません。

なぜか?知らない相手を丁重におもてなしするなんて事は地球では起きていません。
我が星のこれまでの歴史では、高度な知能や文明を持つ側が、調査の名の下に実験の被験者として解剖したり、教育や布教の美名のもと文化・文明や言語を破壊したり、最悪、食用に家畜にしたりといった事が繰り返されていきました。

もしも地球文明よりも高度な生命体と接触した場合、よくて家畜、最悪の場合、文明を根底から破壊されることを覚悟しておくべきと、あらゆる学者や科学者が警鐘を発していることをお伝えしておきます。

キラッと空が光った次の瞬間、大勢のウルトラガチョウが宇宙からやってきて、世界中のフォアグラ製造工場で無理やり餌を喉に流し込まれているガチョウを人類から解放し、地球をガチョウの手に取り戻すために人類を成敗する…ある日突然、そんな未来がやってくるかもしれませんね。